英語とか欅坂とかイラストとか多趣味なブログ

英語と投資とか多趣味なブログ

趣味で英語と投資をやっています。色々なことに挑戦できる人を目指す。

エロゲ業界の衰退と原因の考察

近年、エロゲ業界は急速に衰退している。

biz-journal.jp

note.chiebukuro.yahoo.co.jp

元ユーザーの私は、近年のエロゲを「牛丼化エロゲ」と呼んでいる。牛丼の「早い・安い・旨い」の「早い」と「旨い」をエロゲに当てはめることだ。
近年のラインナップをみると、エロゲの風潮は「エロく、シナリオは短く(平坦なシナリオ)」が流行しているように感じる。
起伏のない平坦なシナリオで、Hシーンはエロく、ゲームは短時間で終わる。心には残らないが、スピーディーかつエロい。
特に2006年あたりから急速にその傾向が進み「クロシェット」や「ゆずソフト」の台頭で完全にその傾向にシフトしたと考えている。
同メーカーの作品はシナリオは殆ど心には残らないが、CGが綺麗でエロい。

これの何がいけないのか?個人的には、

 

  • 多様化とお金を払い続ける古参ユーザーの消失を促す


エロゲをプレイする年代層で1本6000円~8000円もする作品を定期的に購入出来る層は20~40代である。
しかし、成熟した30代~40代の層で「シナリオはつまらないが、CGが綺麗でエロい萌えゲーム」を新品で買い続けるユーザーはどの程度いるのだろうか?
社会に出ると価値観が大きく変わる、ましてや結婚をしたら尚更だ。
その上、エロゲ業界は「割れ」と言われる、ゲームそのものがネット上にアップロードされる問題に直面している。
そんな中、お金を払ってでもプレイし、手元に残しておきたい作品なんていくつあるだろうか?

中学の時は「萌えゲーム」や「萌えアニメ」もそれなりに好きだった。
しかし、20代の今は「それだけにお金は使えはいなぁ」と言うのが感想である。
「牛丼化エロゲ」の最大の売りは「エッチシーン」と「CG」だ。しかし、今や割れが問題となるエロゲ業界、作品上のCGなんてのはネット上で簡単に閲覧することが出来る。
アニメ業界も同様に、「萌えアニメ」や「異世界アニメ」なんてのは無料視聴出来る。しかし、無料で享受出来てしまう現状で、萌えアニメのDVDやエロゲに5000円~8000円も払う人など少数だ。
常識的に考えればわかる事だと思う。主人公がモテまくって終始イチャラブする作品や異世界に飛ばされてハチャメチャする作品に大人がお金を使うだろうか?
それは低価格なライトノベルや漫画の役割だと考える。

手軽にかつスキマ時間でプレイ出来るスマホゲームが流行する昨今、2000年初頭に流行したシナリオ重視のエロゲは「クリアまでには時間がかかる」、「エロゲに感動や考察要素なんていらない」と言われる始末だ。現に売り上げもイマイチらしい。
しかし、ネットや書籍で名作として扱われる作品、恒常的に売れ続ける作品の殆どはシナリオ重視の作品なのだ。

勿論、「割れ」対策も早急な課題だと感じる。しかし、近年の萌一辺倒の傾向は間違いなく長期的に破滅的な結果を招くと感じる。

個人的には、「シナリオ重視」を銘打っている作品の多くは、浅いように感じるが・・。そういう意味で、本当のシナリオ重視の作品なんてのは数えるくらいしか存在しないと考えている。


そして、答えを提示した近年の作品に、フロントウイング社の「グリザイアシリーズ」が挙げられると感じる。
この作品は間違いなくシナリオ重視に分類される作品だ。
そして、このシリーズは3部作にもかかわらず大ヒットした。

三部作の購入となると金銭的、時間的にも大きな負担となるはずが、多くのユーザーはこの作品の「世界観」に惹かれて購入していた。勿論、原画などの役割も大きいだろう。

 
AIR、車輪の国、素晴らしき日々カルタグラ殻ノ少女、eden、クラナド智代アフタークロスチャンネル永遠のアセリアなどの評価の高い作品は、その世界観とシナリオが、大きく評価されている。

f:id:avai:20170501221722j:plain

f:id:avai:20170501221724j:plain

f:id:avai:20170501221725j:plain

f:id:avai:20170501221726j:plain

f:id:avai:20170501221727j:plain

f:id:avai:20170501222551j:plain


私は有名作品に共通する「引き込まれる世界観」と「骨太なシナリオ」が最大のポイントだと思う。それも、中途半端なシナリオではなく、短いシナリオでも、大の大人がお金を払いたいと思うシナリオと世界観。

実社会の理不尽さや非道さ、リアルな個人の葛藤や苦悩、協調する大切さや希望など、洋画で描かれるような要素が間違いなく必要だと感じる。

 

智代アフター」を例に挙げてみる。

f:id:avai:20170501230029j:image

この作品は間違いなく大人向けだ。それも、実社会の現実を知った大人向けの。

シナリオライターによると、この作品は今までの中で1番表現したかった事を作品にしたらしい。

ゲーム内容はとにかくリアルで残酷。世の中の現実と非道さを反映していて生々しい。

プレイ後でも、殆どの中高生には良さはよく分からないと思う。

自分は、中学時代にプレイしたが「愛の物語かな?」ぐらいの認識でした。

しかし、実社会の残酷さとリアルを経験した大人なら、この作品のエピローグである「希望」を理解出来ると思う。

世の中は本当に理不尽でつらい。それでも、「人」との交流によって人は成長し立ち直る強さを得ることを、現実のリアルを用いて表現した作品。

 

個人的にはアニメ、漫画にも考察する要素や人生感に焦点を当てることは必要だと感じる。


高い金額を払うエロゲには間違いなく、ライトノベルや深夜アニメとは異なる、別な要素が必要だ。それは初回特典のようなエサではなく、ゲームの本質的な要素。
無料で違法に享受出来る昨今、お金を払ってでもプレイし、手元に残しておきたい要素。
その答えは、過去の名作やグリザイアシリーズが提示している気がする。