米大統領選挙からみる若者の不満や怒り、そして絶望
共和党 ドナルド・トランプ
民主党 バーニー・サンダース
世界中で若者の悲壮感が漂っている気がする
アメリカ大統領選挙候補で共和党のドナルド・トランプの勢いがとどまる気配がない。
民主党のバーニー・サンダースもクリントン候補に一太刀浴びせるなど、当初想定していなかった事態だ。
これには若者の絶望感が要因だと考える。
アメリカにある有名大学の学費は年6万~8万ドルにもなる。大学院にも進学前提のはずだ。
そうなると、入学できるのは、「頭のいい金持ち」に限定される。彼らは卒業後、相応のポジションが与えられているので、奨学金の返済が出来る。
問題は地方の大学。
借金を抱えながら就職できない。大学卒業後は犬の散歩代行や、アルバイトで生計を立てている。求人に応募しても、経験者、又は外国人にポストを奪われる。この悪循環だ。
アメリカンドリームは幻想だ。だから、既存政治に失望し、「授業料無料化」や「企業に税金を課すこと」を主張するバーニー・サンダース、「雇用確保」を主張するドナルド・トランプが支持される。
バーニー・サンダース, ドナルド・トランプの両者の政治資金獲得にも若者は好感を持っている。
サンダースは一般市民の寄付で、トランプは自身の金で、両者とも企業などのエリート層からの資金提供を受けていない。
ニューハンプシャーでのサンダースの勝利スピーチを観たが、正直震えた。非常に力強い。
ドナルド・トランプはかなり頭がいいと思う。過激だが法に触れる発言は絶対にしない。彼はアメリカさえ良ければいいと考えている人だ。アメリカの高級誌(エリート層)が揃って彼を批判しているが、批判するほど市民が盛り上がる。エリート層が批判しているからだ。
常識的に考えればヒラリー以外の選択肢なんてありえない。しかし、エリートには庶民の気持ちなんてわからない。若者は絶望していることも。
欧州でも若者の就職が大きな問題である。そうした背景により、極右政党などの過激な発言をする人が支持され台頭する。ヒトラーが支持を得たように。
韓国、中国の若者もかなり悲惨だ。日本も所得格差や教育格差が顕著だ。
どの世界の若者も悲壮感が漂っている。